交通事故の不法行為の成立要件

先ほど、交通事故を起こした場合、3つの責任を負わなくてはならないということをご説明いたしました。そこで、具体的にタクシー運転手が事故を起こした場合の責任を見てみましょう。
①行政上の責任・・・免停や取り消しの処分
②民事上の責任・・・乗客を安全に目的地まで運行しなかった「債務不履行責任」と乗客に損害を与えた違法な行為としての「不法行為責任」
③刑事上の責任・・・罰金や禁固刑など

その中で、不法行為とは、他人に損害を与える違法な行為をいい、民法709条に規定されています。不法行為が成立する要件は次の要件が必要となります。

①加害者に責任能力があること

通常、契約を結ぶといった行為は行為能力が必要とされております。これは、法律上の権利・義務行為を一人で完全に行い得る能力で通常は20歳以上の人でなければなりません。しかし、不法行為の場合は未成年であっても、その行為の結果が不法なものだと非難され、自身で認識できる知能がある場合、不法行為の責任を負わなければなりません。だいたい、中学生くらいからその責任を負うとされております。 このほか、精神病などの障害で(自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状況にあるもの)責任無能力者とされる場合は、その無能力者を看護・監督する義務のある人に損害賠償することが出来ます。

②加害者に故意・過失があること

わざと人に衝突させぶつかった場合が故意、うっかり運転を間違えて第三者に衝突してしまった場合は過失といいます。

③加害行為に違法性があること

民法では他人の権利を侵害したものとありますが、具体的に規定されている権利と異なり、法律上保護される利益と解されています。すなわち、反社会的な行為により損害が発生すれば、権利侵害があると考えられております。反社会的な行為の反対が、社会的に正当といわれる行為ですが、これは「正当防衛」や「緊急避難」などで、損害が生じても損害賠償請求を負わないとされております。また、スポーツなどでけがをさせても不法行為にあたりません。

④被害者に損害が発生すること

被害者が怪我をしてしまったり、被害者のモノが壊れてしまったなど、実際の損害が発生しなくてはなりません。

⑤加害行為に損害発生との間に因果関係があること

因果関係とは、Aという原因があってBという結果が発生したということです。よく、風が吹けば桶屋がもうかるといった関係がありますが、法律の世界では、因果関係がないと判断されます。なお、因果関係がある場合は相当因果関係といいます。おそらく2次的な損害は、賠償の対象外と考えていた方がいいかもしれません。

これらの要件を満たすと不法行為が成立し、賠償の方法は原則として、金銭賠償となります。

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