営業車の盗難で会社の責任はどうなる??

2010-11-30

事例

 会社の従業員が会社の自動車を道路の左側に止めて、顧客のところに商品を届け戻ってみると、自動車が盗まれていた。従業員は会社に連絡、会社は警察に盗難届を出した。しばらくして警察から、盗難車が横断中の人をはねて大怪我をさせたとの連絡を受けた。盗難時、ドアは施錠せずキーは差し込んだまま、自動車を離れて戻るまでの時間は5分位であったが……会社は被害者に対して、損害賠償の責任を負うのだろうか!?

解説

 自動車による人身事故の場合、運行供用車は厳しい責任を負わされている(自賠法3条)。
 一般に盗難車が人身事故を起こした場合、車の所有(使用)者は責任を負わなくてもよいといわれている。これは、車を窃取されることによって、運行供用者性を失っているためである。
 しかし、所有者に自動車の保管上の過失がある場合には、そう簡単に責任を逃れられない。

 では、どういう場合に責任を負うのか?
 学説、判例は千々に入り乱れているものの、最近は客観的にみて、泥棒に車の運転を容認していたと見られても止むを得ないという事情があれば、所有者は運行供用者として責任を負うというものである。
 例えば、一般人が自由に出入り可能な路上や空き地に施錠せず、エンジンキーをつけたまま駐車し、盗難防止のための具体的措置を講じなかったときに、責任を負わされるケースが多い。

 本件はどうだろうか。
 人の往来の自由な路上でドアに施錠もせず、エンジンキーを差し込んだまま駐車していた車が盗まれ、それからあまり時間が経たないうちに犯人が人身事故を起こしている。
 この場合、会社は損害賠償責任を逃れることはできないと思われる。
 もちろん、事故を起こした犯人も損害賠償を負うのは当然である。

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