後遺症が残ったときの損害賠償はどう算出するか?

2011-01-04

事例
 サラリーマンのMさんはハイヤーに乗って知人宅からの帰宅途中、後方から来たトラックに追突された。その時は別に異常はなかったが、3日目から頭痛、吐き気がひどくなり、いわゆるむち打ち症ということで近所の病院に4ヶ月ほど入院した。その後も2,3日に1度の割合で通院している。
  今月になり、病院では一応治ったものとみなし後遺症は12級ということになった。損害賠償はいくら請求できるだろうか?

解説
  交通事故で後遺症が出た場合、損害賠償は2つの意味がある。
 1つが、後遺症慰謝料。後遺症が出たことによる精神的損害の意味を持つもので、一般の慰謝料(入院、通院期間、苦痛の程度、その他諸事情を考慮して決定する)に加算され、慰謝料総額とされる。
  後遺症慰謝料額の妥当な額というのは極めて難しい問題であるが、おおよその基準ができているようだ。日弁連の「交通事故損害額算定基準」や自賠責保険の支払基準では、後遺障害等級(1~14級)ごとに一定の基準があり、自賠法施行令別表に定める保険金額の8割~14割をもって、その後遺症等級の後遺症慰謝料とされている。

 2つめは逸失利益。後遺症のため、今まで通りの収益はあげられないだろう、というところから認められるもので、予想損害である。事故の前後で明らかな収入差が証明できればそれが逸失利益であり、これより中間利息をライプニッツ式で控除して算出する。
  しかし、収入差がはっきりしない場合は、労働基準監督所長通牒に定める、労働能力喪失率表を参考に逸失利益を算出する。今回の事例の12級の場合、14%が喪失された労働能力ということになる。
  この労働能力が喪失した状態は何年継続するのかというのは、またまた難しい問題なのだが、12級のむち打ち症の場合は例えば東京地裁等では、一応3年ないし5年を基準としているようである。

  したがって、収入差がはっきりしていなかったMさんの場合は、事故前の年収に労働能力喪失率の14%を乗じ、これに3年間に対応するライプニッツ係数を乗じて中間利息を控除すれば、相手に請求できる逸失利益となる。

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