自家用車の事故でも会社が責任を負う!?

2010-11-16

事例

 Sさんは、自転車で出勤中に後ろから走ってきたMさん運転の自家用車にはねられ、大けがをした。Mさんも出勤途中であった。Mさんは今年大学をでたばかりの新入社員として会社に勤めているところであった。しかし、自動車には任意保険をつけてなく、Mさんの支払い能力もあまり期待できない・・・。Mさんの勤めている会社に損害賠償ができないものか!?

解説

 会社員が会社の命令で会社の自動車を運転し人身事故を起こした場合や個人が個人所有の自動車をレジャーにいく途中人身事故を起こした場合、その責任を負うものは誰かということは、比較的簡単に決められている。前者の例では、会社と運転していた個人の両方が賠償責任義務を負わなければならない。後者の例では運転していた個人が責任を負わなくてはならない。しかし、会社が全く責任がないと完全に言い切れるかどうか微妙な場合がある。
 従業員の事故で会社が責任を負わなければならない場合は次の2つである。
1.その事故が会社の「事業の執行」につき発生した場合(民法715条)
2.会社がその自動車の運行供用者である場合(自賠法3条)

 本件の例を考えてみる。
 Mさんの出勤自体は会社の業務とはいえないので、民法715条のによる責任追及はまず不可能である。
 ただし、Mさんの出勤が夜中とか早朝の特別命令の出勤で、交通機関もマイカーでなければならないような場合であれば、会社に対する責任追及が可能になる。しかし、一概にはいえない。
 自賠法3条による責任追及はどうであろうか?
 自動車の運行供用者とは、その自動車を支配し(運行支配)、その車から利益(運行利益)を得ることだといわれている。
 会社は会社所有の自動車については、通常運行支配と運行利益を有するとされ、人身事故がおきれば、運行供用者として自賠法3条の責任を負わさせる。従業員の所有車について、会社が運行供用者責任を負わせられる例は、その個人所有車をセールスのために使うとか、会社のお客さんの送り迎えに使うとか、商品の運搬に時々使うとかのように、会社の利益のために使うような場合である。
 本件でみると、Mさんは自分の車は通勤と私用にだけ使うのみで、会社の仕事のためには一度も使用したこともなく、また、会社からは仕事には決して使ってはならないと、厳命されていることもわかった。

 そのことから、会社はMさんの車については、運行支配も運行利益も全く有していないということにより、会社に対する責任追及は難しい。

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